【3時間を10分に短縮】介護施設事業者における売上と稼働実績の分析業務の効率化

依頼主 | 介護施設事業者(法人) |
企業規模 | 従業員数 約1,100名 |
相談内容 | ・全国数十カ所に介護施設を展開している。 ・会計の基幹システムを導入しているが、基幹システムでは対応できない独自の売上・稼働分析を行っている。 ・分析業務は特定の社員がExcelで行っていたが退職し、後任の担当者では対応が難しくなった。 ・関数やVBAマクロで分析を効率化し、マニュアル整備によって担当者が変わっても対応できる体制を整備したい。 |
支援内容 | ① 現在のExcel分析フォームと、分析方法(関数)を調査 ② バラバラになっていた関数を修正して整備 ③ 基幹システムのデータを自動集計するVBAマクロを開発 ④ 各種操作方法のマニュアルを作成 |
成果・結果 | ・これまで複雑な集計・分析作業を行っていたが、新しい業務プロセスでは3ステップで作業が完了。 ・これまで毎月末に2~3時間かかっていた集計・分析業務が、約10分で完了。 ・マニュアルで作業方法を明確化したことで、担当者が変更になっても引き継ぎが容易に。 |
当支援について | 【ご支援の背景】 当該企業様は、介護という需要が伸びている業界であると同時に、新施設の開所やM&Aなどを通じて、新しい事業所が日々増え続けている状況です。 各事業所における売上や稼働状況の分析を毎月精緻に行うことは、経理部門の担当者における重要な業務のひとつでした。 しかし、分析項目が多岐に渡ること、また日々新しい事業所が増えることによって、分析業務が次第に煩雑に… そんな中、前任者の退職によって業務が引き継がれたものの、その分析業務の複雑さによって、後任の担当者は毎月末の分析業務に忙殺されていました。 【ご支援のポイント】 今回のご支援が成功した秘訣は2つあります。 ① 分析内容と分析手順が明確であったこと。 ② Excelという誰にでも馴染みのあるソフトで解決したこと。 【① 分析内容と分析手順が明確であった】 今回ご支援した業務は、売上金額や各種稼働数値を集計することで、前年比や目標達成度合いを判定するというものでした。 分析項目が多いこと、また計算ロジックが複雑であることは課題でしたが、その点さえクリアできば関数やVBAマクロで効率化することは容易でした。 幸いにも後任の担当者が計算ロジックをしっかり理解していたことで、問題なく関数やVBAマクロに落とし込むことができました。 その結果、「①基幹システムからのデータダウンロード→②Excelフォーマットへのデータ貼り付け→③VBAマクロの実行」という、非常にシンプルな3ステップで業務を効率化(半自動化)することができました。 【② Excelという誰にでも馴染みのあるソフトで解決】 解決方法としては、基幹システムを改修して分析機能を追加するという選択しもあります。 また、別の分析ツールを購入するという方法もあったでしょう。 しかし今回は、前任者が使用していたExcelの分析フォーマットを踏襲することで工数と費用を抑制するとともに、後任の担当者も馴染みあるExcelを使用することでスムーズに業務移管できるというメリットがあります。 また、今後さらに別の担当者に業務が移管した場合でも、作業マニュアルを整備したこと、また誰でも使用したことがあるExcelでの管理であることから、問題なく業務を引き継ぐことができます。 近年は、あらゆる業務において便利そうなITツールが登場していますが、導入費用・ランニングコスト・慣れるまでの時間や心理的負担などを考慮すると、実際に費用対効果が伴っているかが分からない場合もあります。 今回の場合、最も身近であり利用実績もあるExcelフォーマットをブラッシュアップすることにより、Excelの機能を最大限活用して効率化できた好事例であったと感じています。 |
投稿者プロフィール

- 中小企業診断士・事業承継士
- マニュアル制作会社に13年勤め、300種類以上の業務マニュアル制作や、ドキュメント制作システムの開発に従事。マニュアル整備による教育の自動化、IT導入によるPC作業の自動化により、年間640時間の残業削減実績を持つ。2024年に中小企業診断士を取得し、2025年に独立。「工数削減による利益向上」を支援するため、業務効率化や業務仕組み化のコンサルティングサービスを提供している。