【300時間の工数削減】新聞社の広告営業における提案資料作成の画像抽出ツール開発

依頼主 | 新聞社(法人) |
企業規模 | 従業員数 約300名 |
相談内容 | ・年間約20,000件ある新聞広告において、1件ずつ企業に提案営業を行っている。 ・提案書に広告画像を貼付する作業を手作業で行っており、手間と工数の負担が課題となっている。 ・紙面データから所定の広告画像を抽出し、自動で提案書に貼付するツールを導入したい。 |
支援内容 | ・紙面データ(PDF)から画像抽出を行い、提案書(PDF)に貼付するまでの自動化ツールを、弊社にて独自開発。 |
成果・結果 | ・1つの提案資料作りに最大2分程度かかっていいた時間を、約5秒に短縮。 ・総工数換算では、320時間から8時間に短縮。 ・人件費換算では、80万円から2万円に削減。 |
当支援について | 【ご支援の背景】 当該企業様は、年間2万件ある新聞広告枠の営業を行っています。 営業方法は、広告主である企業に対して、昨年出稿していただいた広告画像を紙に貼付し、今年度も広告出稿を依頼するというもの。 一見すると、アナログで非効率な方法にも思えますが、実際に紙に印刷された質感やサイズ感を見せることで、広告を出稿する企業からすると、新聞に掲載された時のイメージが付きやすいのです。 しかしながら、年間2万件という数量がネックとなっており、作業の手間や作業工数が営業社員の悩みとなっていました。 【画像ツールの検討】 当該企業様よりご依頼をいただき、ご要望を実現できるITツールを探しました。 しかし、そのご要望を実現できる既製品のITツールが見当たりません。 その理由は、単にPDFから画像を抽出すれば良いのではなく、「PDF内の画像の中から、更に特定の広告画像を見極めて抽出する」という、極めて高度な画像解析技術が必要であったためです。 そこで、弊社と関係のあるプログラマに相談したところ、独自開発で実現ですることができました。 【ご支援のポイント】 今回のご支援が成功した秘訣は2つあります。 ① 作業手順が明確であったこと。 ② 抽出する画像サイズが明確であったこと。 【① 作業手順が明確】 ITツールやプログラムで業務を自動化するには、一定のルールが必要です。 プログラムは人間と違って融通が利かないため、前もってルールに従った指示(プログラム)をする必要があります。 当該企業様の提案資料作成では、「〇〇サイズの用紙に、△△と、□□を、××の位置に掲載したい」という明確なルールがありました。 したがって、広告画像さえ抽出できてしまえば、後はそのルールに従って提案書を自動作成することは容易でした。 【② 抽出する画像サイズが明確】 しかし問題は、抽出する広告画像の方でした。 画像抽出元のデータはPDFであるものの、掲載されている画像の中にある広告を判別して、広告主ごとの広告画像として抽出するというものです。 PDFから画像だけを抜き出すのは簡単ですが、画像の中から特定の広告画像(特定部位)を抽出するのは、難易度が格段に上がります。 しかし幸いだったのは、広告サイズが規定されていることから、画像の中から特定のサイズ(枠)を解析することで、広告主ごとの広告画像を取り出すことに成功しました。 当該企業様における業務効率化の成功は、作業手順や画像サイズなど、自動化するためのルールが明確に定められたことが最も大きな要因でした。 |
投稿者プロフィール

- 中小企業診断士・事業承継士
- マニュアル制作会社に13年勤め、300種類以上の業務マニュアル制作や、ドキュメント制作システムの開発に従事。マニュアル整備による教育の自動化、IT導入によるPC作業の自動化により、年間640時間の残業削減実績を持つ。2024年に中小企業診断士を取得し、2025年に独立。「工数削減による利益向上」を支援するため、業務効率化や業務仕組み化のコンサルティングサービスを提供している。